No.59 ☆ こんどは 蛍光灯はなぜ光って見えるのか・・・・
10月21日 東京 日本ボイラ協会会議室に於いて 初めての発光システム研究会が開催され 80数名の方たちが出席されて盛況のうちに終えることができました。どうなることかと心配していたのですが 良かったです。
内容は「蓄光」をテーマとして まず蓄光発展の功労者である 村山義彦氏(元 根本特殊化学株式会社)の「N夜光」開発にまつわるお話に始まり 続いて(社)日本標識工業会 事務局長 中野豊氏の「注目の素材ー蓄光」というタイトルで 蓄光の歴史からJIS関連の蓄光商品の役割のお話など 興味深い講話を頂きました。
最後に筆者が 「蓄光の光るしくみ」ということで講話させて頂いたのですが蓄光原料の開発者の前で 蓄光について語るなど 「身の程しらず」な行為であったと反省しております。ただ 後日 村山さんより今回の研究会開催を褒めていただくことができましたので 胸をなでおろすことができました。
講話の内容は10月20日号に掲載しておりますが こぼれ話の中に 「蛍光灯」 「花火」 「火打ち石」がなぜ光るのかという問いを投げかけているくだりがあるのですが 「そこの説明もしておいてくれ」という要望がありましたので今回はそのお話になります。この研究会の質問は予想もしてないところからくるのが特徴のようです。(蓄光の質問じゃないんだ・・・)
「蛍光灯はなぜ光るのか?」については 蛍光管の中に不活性ガスと水銀が封入されていて ガラス管の内側に蛍光体が塗布されたもので説明しますと 電源が入ると 蛍光管の電極から放電が始まり蛍光管の中に存在している電子が活発になります。加速された電子は水銀(Hg)原子にぶつかって水銀は励起します。励起した水銀はすぐに基底状態に戻ろうとします。
励起状態から基底状態に戻ろうとするとき 余分なエネルギーを放出します。水銀の場合は紫外線として放出しますので 紫外線が蛍光体を照射することになって蛍光体が光るという仕組みになっています。勉強会のおさらいをしておきますと 励起状態から基底状態に戻ろうとして余分なエネルギーを放出するということです。
「花火はなぜ光るのか?」については 熱エネルギーが光エネルギーに換わる現象です。炎が光って見えるのは 日常体感しているから疑問に思われないのかもしれませんが 物体が熱を持つということは 物体の温度が上昇するということで 温度が上昇することで物体の分子の動きは活発になります。
分子の動きが活発になるということは 分子の中にある電子のエネルギーが高くなり 励起状態になるということです。花火は打ち上げられたと同時に導火線にも火が点けられていて 空中で爆発して火薬が燃え上がります。火の粉は熱を持っていますが 爆発とともに外気に触れることで 火の粉の温度は低下します。基底状態に戻ろうとして 余分なエネルギーが光となって放出されるわけです。
「火打ち石はなぜ光るのか?」については 例えとしてなんで火打ち石をひっぱり出したのかよく覚えていませんが いまどき火打ち石の存在すら忘れられているのに 時代劇でも見ていたのかもしれません。ともあれ説明をしておきますと 火打ち石はふたつの石をぶつけ合うことで 摩擦熱が発生します。
熱が発生すれば あとは花火と同じで空気に触れることで温度が下がります。石を擦り合わせたことで励起状態となり 空気に触れることで基底状態に戻ろうとして可視光となってエネルギーを放出しているのです。摩擦によるエネルギーが熱エネルギーとなって さらに光エネルギーとなっているのです。いずれにせよ 励起状態から基底状態に戻るという状況がつくられることで可視光となってエネルギーが放出されているということになります。
発光システム研究会の第1回東京開催が好評だったようで また2回目を計画するようです。東京開催に参加くださった方々 ありがとうございました。こんな勉強会を 名古屋で月に一度開催しておりますので都合が合えば名古屋開催にもご参加ください。
発光システム研究会 こぼれ話
2011.11.5号
原稿担当:(財)日本染色検査協会
竹中 直(チョク)