No.30 ☆ 花火の赤色にはストロンチウム(Sr)が使われている・・・・

 立秋が過ぎたのに 連日の猛暑で 熱中症になる人が例年以上に増えている というニュースが毎日のように報道されています。家の中に居ても 熱中症になる人が多いとのことで クーラーを充分にきかせて涼しくしてしてくださいとのアナウンスが流れ・・・・ 温暖化防止のため省エネにご協力くださいとは言いにくくなっている状況のようです。

日本各地で花火大会が開催されて 見ているだけで涼しくなりますが 日本の花火も世界に誇る芸術品です。毎年 新作が発表されていますが その都度 新たな感激を体感させてもらっています。テレビでも大きな花火大会は 中継されるようになっていますが 花火はライブに限ります。

蓄光原料に使われている ストロンチウム(Sr)は花火では 赤色を表現するのに使われているというお話です。蓄光原料では グリーン発光やブルー発光のいずれにも ストロンチウムが使われていますが 赤色には発光しません。ストロンチウムは燃やすと赤色の光を発しますが 蓄光原料は光を貯めるだけで 燃やしているわけではないので赤色にはなりません。

では なぜ蓄光原料にストロンチウムが使われているかというと ストロンチウムは元素区分でⅡ族に属していて このⅡ族の元素は 軌道電子が不安定という特徴を持っています。軌道電子が 落ち着きがないということを利用して 酸化現象を起こしやすくしているのです。同じⅡ族のマグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca) バリウム(Ba)なども 蓄光原料に使われるのは同じ理由からです。

話が退屈な方にいきそうなので 元に戻しますが 花火の色はどうやって 造り出されているのかというと 火薬に金属元素を混ぜることによって さまざまな色を表現しているとのことです。金属元素は燃えるときに それぞれ特有の色を示すものが多くあります。金属の炎色反応(えんしょくはんのう)と呼ばれるもので この反応を組み合わせて 見る人たちを楽しませているのです。

現実には 元素を単独で使うことはほとんどなく ストロンチウムの場合は硝酸ストロンチウム もしくは 炭酸ストロンチウムなどの金属化合物が使われています。花火の色に使われる 主な金属の炎色を記しておきます。

   赤色 ストロンチウム(Sr)
   橙色 カルシウム(Ca)
   黄色 ナトリウム(Na)
   緑色 バリウム(Ba)
   青色 銅(Cu)
   白色 アルミニウム(Al)

 

これらの元素を含む化合物を組み合わせて夏の夜空を彩る大輪の花火を演出しているのです。蓄光商品に関わっている人たちには ストロンチウムが赤色・・・? と一瞬 違和感を覚えるかもしれませんが ストロンチウムは燃えた時の炎色が赤色ということで 蓄光原料の発光色とは異なる現象なのです。

暑さによる熱中症は 身体にとってありがたくありませんが 真夏の夜の花火に熱中するのは心身を癒してくれます。まだまだ花火大会は続きます 機会があれば是非 足をお運びください。「鍵屋~」 「玉屋~」と叫んでいる若者が居るはずです。これも夏の風物詩で伝統は受け継がれているのです。いつまでも 夏の夜空に花火が打ち上げられることを願います。

2010.8.20号
原稿担当:発光システム研究会会員
竹中 直(チョク)

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